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村重石原小池合同司法書士事務所
立川中央行政書士事務所・村重小池土地家屋調査士事務所 併設
〒190-0012 東京都立川市曙町1丁目17番12号(立川駅から徒歩5分)
Q16.遺言執行者とは?
人が死ぬと、死後の財産については、遺言がない場合、死者の遺志に関係なく、法定相続分に応じて分割することになります。
それで、その方(被相続人)がご納得なさるのなら、結構ですが、親身になって世話をしてくれた子供と、そうでない子が、相続分が同じであったり、大学進学・結婚資金まで出してあげた子と、家庭の事情により大学に行かせてあげられなかった子が、相続分が同じであったりというのは、やはり親としては納得しがたいものがあるのではないでしょうか。
皆様ひとりひとり、様々なご事情やご意志があり、法定相続分とは違った形で相続させたいとお考えになるのは、特殊な考えではありません。
遺言は、物事に対するいちおうの判断能力、すなわち意思能力がある満15歳以上の者であれば、誰でもすることができます(遺言能力)。
遺言者は、遺言をする時において遺言能力を有しなければならない(同法963条)とされています。つまり、遺言作成後、心神喪失状態になり、死亡したとしても、その遺言は有効です。
(1)子供がおらず、夫婦2人の場合
Aは、子供がおらず、夫Bとふたり暮らしでした。近所でも評判の仲のいい夫婦でしたが、ある日突然夫Bが交通事故で亡くなってしまいました。49日も過ぎて、夫の財産を整理していると、夫の兄弟が自己の相続分の主張をしてきました。遺言がなかったために、Aは辛い思いをすることとなってしまいました。
→ 夫婦ふたり暮らしでも全部の財産が当然に配偶者に相続されるわけではない!
(2)事業主である方
甲会社の創業者であるAは、長男Bと共に、会社を切り盛りし、その努力の甲斐があり、会社経営は順調でした。一方次男Cは、甲会社とは別の会社に勤めていましたが、長男B、創業者Aとは仲があまり良いとは、言えませんでした。。ある日、突然A社長が亡くなり、遺言がなかったために、A所有の甲会社が使用する不動産、株式等にもCは自己の相続分の主張をし、大変なことになりました。
→ 会社と関係の無い息子にも、創業者所有であった株式等は相続される!
(3)推定相続人の中に行方不明の方がいる場合
Aは、父Bの身の回りの世話・母Cの介護を献身的にする娘でした。ある日、父Bが亡くなりました。Aは、Cの介護資金調達のため、B名義の不動産甲を自己の名義に移し、売却しようと考え、Cもこれに同意しました。しかし、司法書士に相談したところ、相続登記が必要であり、相続人である母CとA、そして5年程前から行方不明である弟のDが遺産分割協議をしなければならないこと、弟Dが行方不明であるならば、不在者の財産管理人の選任が必要であることを伝えられました。
→ 遺産分割協議は、相続人全員でする必要があるため、行方不明者がいる場合、通常より手続が面倒である。遺言をしておけば、このような事態は回避できる!
(4)長男死亡後も長男の両親の世話をしている長男の嫁がいる場合
長男夫妻と同居していたAは、長男死亡後も、長男の嫁Dに身の回りの世話をしてもらっていました。嫁Dは大変献身的で本当の子供のようでした。しかし、Aは遺言を残さずに死亡したため、嫁Dには相続分がまったくなく、また長男夫妻には子供がいなかったため、長男の兄弟に財産は相続されました。
→ 長男の嫁は相続人ではありませんので、この場合、「嫁Dに対し、○○○○を遺贈する」という遺言を作成しておくべきだったでしょう。
(5)再婚されている場合
Aさんは、先妻Bとの間に子供Cがいましたが、CはBと暮らしており、離婚以来、連絡は取っていませんでした。Aはその後、Dと結婚し、Dの連れ子Eを養子に迎え、幸せに暮らしていました。しかし、Aは遺言を作成せずに、亡くなり、相続財産については、妻Dと、養子Eと、先妻との間の子Cにより遺産分割協議をしなければならなくなりました。
→ 先妻との間の子も相続人となる。面識のなかった者同士、複雑な心境の中で遺産分割協議をしなければなりません。
(6)推定相続人がいない場合
相続人がいない場合、最終的に、財産は国庫に帰属します(Q5参照)。
せっかくの財産ですから、お世話になった人や、大学、施設などに遺贈したい等、様々な希望があるはずです。
(7)推定相続人に過去に大きな贈与をしたことがある場合
Aさんは、妻と娘二人がおり、長女に婚姻の際、500万円を贈与していました。その後、Aが亡くなり、財産として1000万円が残りました。長女が、婚姻の際、受取った500万円は、特別受益にあたるので、長女は新たに相続で取得する分はありませんでした。
→後述しますが、推定相続人に贈与や遺贈をした場合、その財産は特別受益とみなされ、相続財産の計算の際、これを持戻して算出します。
本件の場合、相続財産として残った1000万円に、長女が婚姻の際に、受取った500万円を持戻して、1500万円を相続財産とみなすのです。この場合、長女の法定相続分は4分の1(375万円)ですが、既に500万円を取得しているため、新たに取得する分はない、ということになります。
この特別受益の持戻しは、遺言により免除することができます。(→Q20)。
普通の方式による遺言には、3つの種類があります
①自筆証書遺言
②公正証書遺言
③秘密証書遺言
▽自筆証書遺言と公正証書遺言の比較
・自筆証書遺言
1. ◆全文を自筆で自書する必要があります。
2. ◆方式に不備があると遺言が無効になるおそれがあります。
3. ◆遺言書が破棄、隠匿、改ざんされる可能性があります。
4. ◆遺言者の死亡後、家庭裁判所での検認の手続が必要です。
・公正証書遺言
1. ◆遺言者が公証人の面前で、遺言の内容を口授し、それに基づいて公証人が、遺言者の 真意を正確にまとめ、公正証書遺言として作成します。
2. ◆方式の不備を心配する必要がありません。
3. ◆公正証書遺言は、原本が公証役場に保管されますので、遺言書の破棄、隠匿、改ざんの心配がありません。
4. ◆遺言者の死亡後、家庭裁判所での検認の手続が不要です。
普通の方式による遺言については、民法に下記のとおり定められています。
第二節 遺言の方式
第一款 普通の方式
(普通の方式による遺言の種類)
第九百六十七条
遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。ただし、特別の方式によることを許す場合は、この限りでない。
(自筆証書遺言)
第九百六十八条
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2 自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
(公正証書遺言)
第九百六十九条
公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 証人二人以上の立会いがあること。
二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。
(公正証書遺言の方式の特則)
第九百六十九条の二
口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第二号の口授に代えなければならない。この場合における同条第三号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とする。
2 前条の遺言者又は証人が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第三号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により遺言者又は証人に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。
3 公証人は、前二項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならない。
(秘密証書遺言)
第九百七十条
秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
二 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
三 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
四 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
2 第九百六十八条第二項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。
(方式に欠ける秘密証書遺言の効力)
第九百七十一条
秘密証書による遺言は、前条に定める方式に欠けるものがあっても、第九百六十八条に定める方式を具備しているときは、自筆証書による遺言としてその効力を有する。
(秘密証書遺言の方式の特則)
第九百七十二条
口がきけない者が秘密証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、その証書は自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を通訳人の通訳により申述し、又は封紙に自書して、第九百七十条第一項第三号の申述に代えなければならない。
2 前項の場合において、遺言者が通訳人の通訳により申述したときは、公証人は、その旨を封紙に記載しなければならない。
3 第一項の場合において、遺言者が封紙に自書したときは、公証人は、その旨を封紙に記載して、第九百七十条第一項第四号に規定する申述の記載に代えなければならない。
(成年被後見人の遺言)
第九百七十三条
成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。
2 遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。ただし、秘密証書による遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。
(証人及び立会人の欠格事由)
第九百七十四条
次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
一 未成年者
二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
(共同遺言の禁止)
第九百七十五条
遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。
上記のように、普通の方式による遺言には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。公正証書遺言には*検認手続が不要ですが、公証人手数料がかかりますし、自筆証書遺言・秘密証書遺言は低廉ですが、検認手続を必要とします。どの方式がその方に適しているかは、私共司法書士が、ご依頼人様のお話を聞きながら、ご提案させていただきます。
*検認手続
・・遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、遺言書を裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない(民法第1004条参照)。
検認の申立から、検認期日までは、およそ2ヶ月以上かかり、検認期日には推定相続人全員の立会を必要とする。なお、遺言書の有効を証明するものではない。
法定の遺言事項は、身分に関する遺言事項、相続に関する遺言事項、遺言執行に関する遺言事項の、大きく4種類に分けられます。
<身分に関する遺言事項>
①認知(民法781条)
②未成年後見人、後見監督人の指定(同法839条、848条)
<相続に関する遺言事項>
①推定相続人の廃除とその取消し(同法893条、894条)
②相続分の指定、指定の委託(同法902条)
③特別受益の持戻しの免除(同法903条3項)
④遺産分割方法の指定、指定の委託、遺産分割の禁止(同法908条)
⑤相続人担保責任の指定(同法914条)
<遺産に関する事項>
①遺贈(同法964条)
②遺贈の減殺の割合の定め(同法1034条)
③財団法人設立のための寄付行為(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律152条2項)
④信託の設定(信託法3条2項)
<遺言執行に関する遺言事項>
①遺言執行者の指定(同法1006条)
②遺言執行者の復任権(同法1016条)
③遺言執行者の報酬(同法1018条)
<その他の遺言事項>
①祖先の祭祀主宰者の指定(同法897条)
②生命保険受取人の指定・変更(商法675条)
③遺言の撤回(民法1022条)
以上が法定の遺言事項になります。
もっとも、公正証書遺言には「付言事項」というものがあり、法的効力はありませんが、上記以外の相続人に伝えたい思いを綴ることもできます。
認知とは、婚姻外で生まれた子(非嫡出子)について、その父との間に、法律上の親子関係を創設する行為です。これは、遺言により行なうこともできます。遺言で認知をする場合には、遺言執行者による執行が必要となります(戸籍法64条)。
なお、認知の相手方が成人である場合、未成年である場合、胎児である場合、その他、その認知の態様により、執行の方法も異なりますので、遺言により、資格者を遺言執行者として指定することをお勧めします。もっとも、遺言認知よりも、可能であれば生前に認知することをお勧めします。
推定相続人の廃除とは、推定相続人が、被相続人に対して虐待をし、若しくは被相続人に重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときに、被相続人の請求に基づいて、家庭裁判所がその相続権を剥奪する制度です。
推定相続人の廃除は、2つの方法があります。
1.生前、自己の住所地を管轄する家庭裁判所に廃除の審判を申立てる方法
2.遺言において、廃除の旨を記載し、遺言執行者を指定する方法
遺言で推定相続人の廃除がなされていた場合、遺言執行者は家庭裁判所に廃除の請求をします。遺言で廃除をすれば、当然にその効果が生じるわけではなく、家庭裁判所の判断により、廃除の請求が棄却されることもあります。
ですから、遺言に、遺言者の廃除の意思と廃除原因を明確に記載し、廃除原因の証拠となる物を残しておくとよいでしょう。この点は、遺言作成段階から法律家と相談することを強くお勧めします。
共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、その者の相続分を減少させることにより、共同相続人間の均衡を図ります。
たとえば、Aさんに、妻と娘二人がおり、長女に婚姻の際、500万円贈与していたとしましょう。Aさんが亡くなり、財産として1000万円が残った場合に、長女に婚姻の際に贈与した500万円を持戻して、1500万円を相続財産とみなすのです。この場合、長女の法定相続分は4分の1(375万円)ですが、既に500万円を取得しているため、新たに取得する分はない、ということになります。
共同相続人に特別受益がある場合には、遺産分割の際の相続財産および相続分の算定に当たって、原則は、上記のような特別受益の持戻しがなされますが、これを、遺言により免除することができます。免除がなされると、免除された特別受益はないものとして、相続財産および相続分を算定することになります。
遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができます(民法964条)。これを遺贈といいます。遺贈は遺留分に反しない限り、遺言者が自由に行なうことができます。遺留分については、下記Q23をご参照ください。
遺贈は、執行を要する事項です。遺言執行者を定めずにいると、たとえば、不動産を遺贈した場合、相続人が遺贈の実現のため、全員で不動産の所有権移転登記の申請手続に関与する必要があります。ですから、手続が煩雑になることを避けるためにも、遺贈をする場合には、遺言により、遺言執行者を指定しておくことをお勧めします。
下記Q23で説明致しますが、遺留分を侵害する遺贈や贈与は、遺留分権利者が減殺することができます。
贈与については、遺贈を減殺した後でなければ、減殺することはできませんし(民法1033条)、さらに、贈与の減殺については、後の贈与から順次前の贈与に対してする(同法1035条)と定められています。
しかし、遺贈については、先後関係がなく、原則として、遺贈は、その目的の価額の割合に応じて減殺することとなります(同法1034条)。そこで、この遺贈のあん分の原則に対して、遺言者がその遺言により、自由に遺贈の減殺をどのようにするかの定めをすることができます。
遺言は、遺言者の遺志により、自由にその内容を決することができます。しかし、遺言者によって、まったく自由に何の制約もなく遺言作成がなされてしまうと、すべて宗教団体に寄付されてしまった、すべて愛人に遺贈されてしまった、といった事態になりかねません。そこで民法は、配偶者、子、直系尊属には最低限相続できる部分を保障し、これを遺留分としました。
一定の相続人は自己の遺留分を侵害する遺言がなされた場合、この侵害された部分について遺贈や贈与を減殺して、その回復を求めることができるのです。この権利を遺留分減殺請求権といいます。遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないとき、もしくは、相続開始の時から十年を経過したときは時効によって消滅します(民法1042条)。
もっとも、遺留分を侵害した遺贈や贈与も直ちに無効となるわけではなく、遺留分権者が、減殺請求せずに甘受すれば、その遺贈や贈与はそのまま効力を維持します。
民法の定める遺留分は以下のとおりです。
Aさんには、妻Bさんと息子ふたりがいます。次男Dは、大変な親不孝者で、中学時代から不良仲間にはいり、今ではヤクザの組員です。最近では、覚せい剤常習者となり、購入資金が不足すると、Aさん宅に金をせびりに来ては、Aさんに殴る蹴るの暴行を働きます。Aさんが次男Dに一切財産を相続させない方法はあるのでしょうか。
配偶者・子・直系尊属には遺留分というものがあり、これらの者に相続させたくないからといって、遺言により、遺留分を侵害する贈与や遺贈をしても、遺留分減殺請求をされれば、贈与・遺贈した財産のうち、遺留分を侵害する部分については、遺留分権利者の手に戻ってしまいます。また遺留分の規定は強行法規であるため、遺言で次男Dの遺留分をゼロとすることもできません。
このような場合、推定相続人の廃除をし、その者の相続権を取り上げるのがもっともよい方法です。推定相続人の廃除は、推定相続人が、被相続人に対して虐待をし、若しくは被相続人に重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときに、申立てることができます。
推定相続人の廃除は、2つの方法があります。
1.生前、自己の住所地を管轄する家庭裁判所に廃除の審判を申立てる方法
2.遺言において、廃除の旨を記載し、遺言執行者を指定する方法
上記のような、財産の遺贈を受ける人(受遺者)に、一定の負担を与える遺贈も可能であり、これを負担付遺贈といいます。負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負います(民法1002条)。ですから、負担付遺贈をする場合には、負担が遺贈の目的の価額を超えないように注意します。また、事前に受遺者と負担付遺贈の内容につき、協議しておき、遺言に負担内容を明確に記すことが必要です。
なお、遺贈には条件を付すことも可能です。
この場合、遺贈の目的物は、相続の原則に戻り、法定相続分により相続されます。相続人や受遺者が、遺言者の死亡以前に死亡した場合、遺言のその部分は失効してしまいます。たとえ、甥に子供がいても、その子に当然に受遺者の地位が承継されるわけではありません。
ですから、遺贈をする場合には「○○○をAに遺贈する。ただし、Aが本遺言の効力発生以前に死亡した場合には、同人に遺贈する予定であった財産を、Bに遺贈する。」といった補充的な文言も含めておくとよいでしょう。
尊厳死を望む旨を、遺言に記しても、遺言は遺言者が亡くなったときに効力を生じるものですし、亡くなる前に遺言を開封することは、まずないと思います。ですから、尊厳死を望む旨を、遺言に記すのは、得策ではありません。
過剰な延命措置を打ち切って、自然の死を迎えたいと希望する人は増加傾向にあるそうです。このような場合、尊厳死宣言公正証書を作成することをお勧めします。
また、任意後見制度を利用している方は、ライフプラン等に、尊厳死に関する項目を設けておくとよいでしょう。
遺言の中には、遺産分割の禁止のように、とくにその内容の実現のために執行行為を必要としないものと、執行行為を要するものがあります。
<執行行為を要するもの>
・推定相続人の廃除または取消し
・遺贈
・財団法人設立のための寄付行為
・信託の設定
・認知
・祭祀承継者の指定
・生命保険受取人の指定・変更
上記事項を遺言で定めた場合には、遺言内容の実現のため、財産管理、執行事務等を行なう人(遺言執行者)を、遺言の中で指定しておくか、指定の委託をしておく事が望ましいでしょう。
遺言は一般に相続人間の利益が相反することが多く、また、相続人が複数いる場合には、遺贈の登記手続にしろ、預金の払戻しにしろ、相続人全員で執行する必要があるため、手続が煩雑になります。ですから、資格者等を遺言執行者として指定しておくことをお勧めします。
遺言によって子供を認知する時、遺言によって相続人の廃除またはその取消しを行なう時は、必ず遺言執行者によって執行しなければなりません。
従って、上記のような遺言内容であるにも関わらず、遺言によって遺言執行者の指定、または指定の委託がなされていない場合には、利害関係人から家庭裁判所に対し、遺言執行者の選任の請求をし、選任された遺言執行者の手で執行することとなります。
遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができます(民法1022条)。遺言の撤回は、遺言の方式に従ってする必要がありますが、その種類は問いません。また、遺言は何回でも書けますが、前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなします(同法1023条)。たとえば、「甲不動産をAに遺贈する」という遺言を作成した後、「甲不動産をBに遺贈する」という遺言を新たに作成した場合は、「甲不動産をAに遺贈する」とした遺言は撤回されたものとみなされます。同じように、「甲不動産をAに遺贈する」との遺言作成後、生前に甲不動産をBに売却してしまった場合、遺言は撤回されたものとみなされます。
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